ペレット品質

例えば灯油ストーブの灯油を買うときに、店ごとの灯油の価格を比べることはありますが、灯油の質が店によって違う？と考えたことは無いと思います。
工業製品である灯油の品質は、規格が定められているため、ユーザーは品質の心配をする必要がありません。当たり前のこととして意識しませんが、実はとても大切な事です。
一方、普及の途中段階にあるペレット燃料の場合には、現状では品質がまちまちの製品が市場に流通しています。
では、ペレットの品質とは何か？何が良い品質のペレットなのでしょうか？品質を保証してくれる認証とは？

良いペレットの条件としてまず重要なのが、灰分が少ないということです。
一般的な説明としてホワイトペレット・全木ペレットの区分がありますが、これは、灰分の多い少ないとは関係なく、ペレットの品質を示す区分ではありません。

灰はストーブ運転中、燃焼部に堆積し、燃焼に必要な空気の通り道をふさいでしまい正常な燃焼の邪魔になることがあります。
そのため、ストーブ本来の性能を発揮するためには、灰分の少ないペレットを使う必要があります。
また、灰の発生量が少ない方が、日常の掃除やメンテナンスもしやすくなります。

次に、木粉が少ないことです。木質ペレットは木粉を圧力で固めたものなので、製造過程や輸送過程でどうしても木粉が発生してしまいますが、木粉はペレットタンクの底に溜まって、ペレット供給を阻害したり、モーターの負荷を増やす事があります。木粉ができるだけ混ざっていないものが良いペレットです

ペレットの長さも品質に関わってきます。短すぎる・長すぎるペレットは、ペレット送り装置の供給量が多すぎ・少なすぎになることがあり、燃焼のバランスが崩れて正常な運転に影響があります。

これら以外にも、カロリーや水分などペレットの品質を決める要素はたくさんありますが、ユーザーが品質の良いペレットを選ぶ目安となるのが認証制度です。
世界的にはENplusという認証制度がスタンダードになっています。ヨーロッパを中心に世界45カ国、およそ900社がこのENplusを利用し、2018年には認証ペレットの流通が1000万トンを超えました。
ENplus認証ペレットは、ISOで定められた国際規格に適合しています。規格には品質の高い順にA1、A２、Bの３つのクラスがあり、ペレットストーブにはA1クラスのものが推奨です。

日本国内でも、業界団体による品質規格認証が一部行われています。一方で日本各地のペレット製造の事情として、小規模なため品質管理が難しい、認証制度に対応が困難ということがあります。
お住まいの地域で良質なペレット燃料を入手するには、ENplusなどの認証取得品を選ぶか、ペレットストーブ専門店の推奨銘柄を選ぶのが確実な方法です。